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Vol.14 渋谷 友香さん


EPW members interview Vol.14

渋谷 友香
「株式会社MEDIBLEND代表 / 表参道スキンクリニック医師

Profile

東海大学医学部卒業後、医師として美容医療に携わり都内複数クリニックに勤務。化粧品プロデュース業、クリニック運営支援や新規事業立ち上げのアドバイザーとしても活躍中。

医師として現場に立ちながらプロデュース業・アドバイザーと多方面で活躍されている友香さんにお話しを伺いました。

現在のお仕事について

私は医師として美容クリニックで働きながら、コスメのプロデュース業や医療クリニックやサービスのアドバイザーとしても活動しています。医師を志すきっかけは、子どもの頃に見た医療ドラマでした。特に救急医になりたく、救命救急センターが有名な東海大学に進学しました。大学1年生の時に母が亡くなり、その経験が大きな転機となりました。

救急医は命を助ける科だと思いますが、その助かった人の第二の人生を助けられるのが形成外科です。この気づきから、私の医師としての目標は、「命を救う」だけでなく、「救われた命をどう生かすか」を考えることになりました。事故や病気で傷ついた身体を治療し、患者さんに新たな人生を与えることができる点に魅力を感じました。

現在、私が携わっている美容医療では、見た目の美しさを提供するだけでなく、患者さん一人ひとりの背景にも寄り添うことを大切にしています。美容外科で求められる美しさの裏には、心の問題や過去の経験が隠れていることがよくあります。だからこそ、カウンセリングを重視し、患者さんがどんな気持ちで施術を希望しているのかをしっかりと理解することを心掛けています。

医師としてのやりがいは、患者さんから「任せてよかった」と言っていただけることです。私を信頼して施術を受けてくださった患者さんからの感謝の言葉が、何よりの喜びです。宣伝をしていなくても、信頼して来てくださる患者さんが多いです。施術を受けた患者さんが、さらに他の方を紹介してくださることも、信頼関係が広がっていく瞬間として本当に嬉しく思っています。

コスメプロデュース業のきっかけと背景

美容外科や美容皮膚科での経験を通じて、特に年齢を重ねた方々が美容医療に抵抗を感じていることに気付きました。特に、手術を伴う治療に対しては、年齢層が上がるほど抵抗感が強いことが多いです。そんな中で、「切らずに美しくなりたい」というニーズがあることに気づきコスメの可能性を感じました。美容医療は外科的な手術や注射で大きく変化を与えることができますが、それには痛みやダウンタイムが伴います。一方で、メイクアップは即効性があり、ダウンタイムもないため、手軽に美しくなる方法として魅力的です。しかし、メイクには限界があり、根本的な改善にはつながりません。そこで、私は美容医療とメイクアップをうまく融合させる方法を模索しています。「株式会社MEDIBLEND」という会社名にも込めた思いは、医療と美容の融合です。両方の良さを最大限に活かしながら、商品開発を行なっています。

コンサル業務とクリニック立ち上げのサポート

美容医療分野では、クリニックの立ち上げや運営に関するアドバイザー業務も行っています。特に最近では、企業が運営するクリニックが増えており、私は新規クリニックに対するアドバイスを行っています。どのサービスを提供すべきか、どの機器を選定すべきか、どのように集客するかなどの課題に対応しています。

特に、保険診療と自費診療のバランスを取ることが重要です。今後、保険診療に対する制限がかかる可能性が高く、クリニック経営においても自費診療の導入が重要になってきます。また、オンラインクリニックやデジタル化も進んでおり複数のクリニックに勤めてきた経験を活かしています。

将来のビジョンについて

私は医療業界が今後、「病気を治す」から「健康を守る」方向にシフトするべきだと考えています。予防医療やウェルネスにもっと力を入れ、健康を維持する社会を作りたいと思っています。現在の医療では、病気にかかってから病院に行くという流れが一般的ですが、これからは日常的に健康を意識することが重要になります。私の目指す社会は、医療が病気を治すだけでなく、健康を守るために存在する社会です。それをビジネスとして成り立たせることで、医療業界が持続可能になり、より多くの人々が健康を維持できる社会を作っていきたいと思っています。

EPWに入会した理由

EPWに入会したのが2020年、コロナ禍の時期でした。ちょうど勤務医として働いていた頃で、副業としてアドバイザーを始めたタイミングです。初めてクリニック立ち上げを手伝うことになり、システム構築やマーケティングなど、自分が普段関わってこなかった分野に取り組むことに。そこで、医者以外のコミュニティに参加したいという思いが強くなりました。またEPWは24時間開いているという点が大きかったですね。EPWのように気軽に出入りできる環境が自分には合っていると感じました。オフィス内でのコミュニケーションや、気が向いたら話すことができる距離感が心地よかったですね。

EPWの魅力

EPWに入会してからはスタッフの方々が積極的にメンバー同士を繋げてくれたり、ビジネスのアドバイスをもらえることが大きなメリットでした。特に、自分が化粧品の事業を始める際には、SNS運営のアドバイスをもらったり、マーケティングのプロの方から直接サポートを受けたりしました。また、セカンドオピニオン的な助言を気軽に聞ける環境も助かりました。EPWで出会ったフリーランスや起業家の方々は、自分が今まで接点のなかったタイプの人たちで、その経験がすごく刺激になっています。自分が抱えている課題や悩みを共有し、共感できるのが大きな心の支えになっていると感じます。今まで医者の仲間ばかりだったので、違う業種の人たちとつながりを持つことで、視野が広がり、モチベーションが上がりました。

またEPWにいるメンバーさんたちが新しいことにチャレンジしている姿を見て、自分ももっと頑張ろうと思えます。年齢的には後ろ向きになることもありますが、ここにいると「まだやれる!」と背中を押されるような気持ちになります。新しいことに挑戦するハードルが低くなり、ポジティブな気持ちでチャレンジできるようになりました。

Yuka Shibuya

Interview with